上記のような悩みを抱える受験生は非常に多いです。
筆記試験に合格したものの、慣れない面接対策に戸惑い、何から始めていいかわからず、不安になる気持ち、とてもよくわかります。
なぜなら、私自身もともと公務員受験生でしたので、筆記試験終了後から面接試験に至るまで非常に短い期間のなかで、不安で押しつぶされそうになりながら必死で面接対策をした経験があるからです。
私の簡単な経歴は、下記のとおりです。
なお、現在は役場を退職し、個人で当サイト運営をしながら公務員試験の受験指導(ES添削や面接対策)に携わっています。
- 面接カードにおける「志望動機の書き方」
- 失敗しない志望動機の伝え方
- 志望動機のNG例・記載例
- おすすめの面接対策テキスト
なお、市役所のみならず、県庁や町役場を志望している方も参考になる記事内容となっています。
はじめに
【1】地方公務員試験において面接試験は最も重要!
みなさんご存知のとおり、公務員試験において、面接試験の重要性は高くなってきています。
数年前であれば、筆記試験の点数がよければそれだけで逃げ切り合格が可能な自治体もそれなりに存在しました。
しかし、現在では、筆記試験の点数をリセットして面接試験の点数のみで最終合否を判定する自治体も増えてきており、ますます人物重視化の傾向は加速しています。
また、公務員試験全体の流れとして、人物重視化の傾向は強くなってきていますが、特に地方公務員においてはその傾向が強いです。
なかでも都道府県庁職員や市区町村職員などの県民や住民と日々接する機会のある自治体職員においては、人間性や人柄なども含めて公務員としての適性があるかどうかがよくみられます。
なお、地方公務員のなかでも、県庁よりも市役所や町役場の方が人物重視の傾向は強いです。
【2】はじめは面接カードや面接の完成度が低くて当たり前!
面接試験対策をする上で、もう一点知っておいていただきたいことがあります。
それは、【あなたが想像しているよりも何倍も、あなたの面接カードと面接の完成度は低い】ということです。
でも、これは当たり前です。
大学受験の推薦において志望理由書を記載した経験があったり、すでに民間企業の選考を突破した経験があるなどを除き、特別なセンスや才能がない限り、誰もが初めは面接カードを書くのも、面接の回答も「下手くそ」です。
私も当然、下手くそでした。
ただ、正しい対策方法で、インプットとアウトプットを繰り返せば誰でも上達します。
しかし、筆記試験終了後から面接試験本番までは時間的猶予がありません。
特に、筆記試験終了後から面接カード提出までの期限ともなるとそれ以上に時間は切迫しています。
そこで、いかに短い時間のなかで面接カードを仕上げ、面接対策をするかが合否のカギを握っています。
【県庁・市役所・町役場】志望動機を書く前に!
【1】志望動機は思い浮かばないのが普通!
いきなりですが、ぶっちゃけた話をします。
ぶっちゃけ、多くの受験生の本音としては、
- なんとなく公務員がよさそうだから。
- 特段やりたいことがないから、消去法で公務員を選んだ。
- 安定していると言われているから。
- なんとなく仕事が楽そうだから。
- 毎日定時で帰れそうだから。
- 家庭やプライベートを充実させたいから。
上記のような理由で公務員を選んでいる人がほとんどです。
実際、私が勤めていた町役場の同期や上司も同じような理由で公務員になったという方が多かったです。
逆に、「◯○がしたい!!!」という明確な目的とビジョンを掲げて、公務員を志している受験生は、少数派に当たると思います。
そこで、次のように割り切る気持ちが大切になってきます。
「志望動機は作るもの」
【2】志望動機は本音と建前が大切!
すでに述べたとおり、多くの受験生にとっては、ESや面接で使えるような志望動機が「ない」のはごく普通です。
とはいえ、志望動機に「安定しているから」「福利厚生がよいから」などと本音を伝えると、残念ながら不合格になってしまいます。
では、どうすればESや面接で使える志望動機を準備できるのか?
志望動機は後付けでもいいので、とにかく割り切って作るしかありません。
何度も言いますが、要するに作文です。
志望動機の書き方の手順を今から解説していきます!
【3】まずは自治体が求める人材像を知ることから始める!
公務員の面接試験は、求められる人材像というのがある程度決まっており、それに当てはまらない場合には、適性がないとみなされ、合格は難しいです。(これは重要です)
そのため、地方公務員(自治体職員)の人事が求める人材を理解し、そこから逆算的に面接カードの記載および面接対策をする必要があります。
そうしなければ、筆記試験に費やした時間と努力は水の泡になります。
①自身の合格経験(新卒時と役場在職中)
・新卒時、地元県以外の市役所および町役場に合格
・役場に在職中、裁判所事務官および地元県以外の他市役所に合格②役場での実務経験
・役場にて教育委員会、保険課、官民協働のまちづくりのリーダーとして参画
・学校給食の公会計の導入、給食費未納者に対する督促徴収、ALTの雇用関係、幼稚園関係、小中学校関係、国民健康保険、後期高齢者医療、国民年金などの業務に従事③①や②を生かし、受験指導を行い多数の合格者を輩出している経験
・公務員を退職し、これまで100名以上の受験指導に携わる
・地方公務員をはじめとして新卒社会人問わず、多数の合格者を輩出
上記の経験をフルに活かし、自治体が求める人材について詳しくまとめているのが、次のnoteです。
自治体が求める人材を理解し、「予想質問集」で万全の準備を!
【県庁・市役所・町役場】具体的な志望動機の書き方【3ステップ】
志望動機の作成手順(3ステップ)は、以下の通りです。
- 自治体分析をする!
- ①で分かった「課題」や「取り組み」をもとに、大学生活での学びや経験をどのように活かすことができるかを考える!
- ②を志望動機の軸として、深掘りする!
実際に、例を挙げると以下のイメージです。
【参考】A市を自治体分析し、志望動機に落とし込んだ例
- 【A市の課題】種々の特産品や地域資源が豊富であるにも関わらず、うまく活用できていないのではないか?ほかには、中小企業において若年世代(特に20代〜30代)の人手不足が深刻化している現状があるとわかった。
- 【課題や取り組みに対して、自己の経験をどうにか活かせないか?】大学時代に、経営学部でマーケティング戦略を学んでいた。地域ブランディングなどに詳しいのでそれを活かせるのではないか?また、大学の講義を通して、企業の雇用に関する知識や人出不足に関するアプローチを学んだ。
- 【②を深掘りする】私は大学時代にマーケティング戦略を学び、「地域ブランド戦略」を中心に勉強してきた。その学びを生かし、貴市における重点課題である「地域資源の利活用」や「産業振興の促進」などについて取り組んでいきたい。
「合格レベルの面接をするためには、合格レベルの志望動機を仕上げておく必要がある」ということを肝に銘じておきましょう。
【1】志望先の自治体分析をする!
- HPを確認する
- 広報を確認する
- RESAS(リーサス)を活用する
- (ふるさと納税を実際に注文してみる)※地元以外の自治体を受験する場合
上記の①〜③の作業については、必須です。
まずは、あなたが志望する自治体のHPと広報を確認しましょう。
HPおよび広報を見る際のポイントとしては、市長の部屋など、市長のメッセージが掲載されているページと、「自治体の抱える課題」と「どういう取り組みに力を入れているのか」等を調べます。
また、財政状況、移住者の状況、人口の増減、外国人の割合、なども基本的な情報として知っておいた方がよいので、ザッと調べておきましょう。
特に注力していただきたいのが、③のRESAS(リーサス)地域経済分析システムの活用です。
リーサスの定義は、下記の通りです。
地域経済分析システム(RESAS:リーサス)は、地方創生の様々な取り組みを情報面から支援するために、経済産業省と内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)が提供しています。
自治体職員の方や、地域の活性化に関心を持つ様々な分野の方によって、効果的な施策の立案・実行・検証のためなどに広く利用されています。
RESASは自治体でも活用が進められています。
しかし、職員でも使いこなせる人が正直言ってほとんどいません。
そこで、RESASを活用し、自治体分析を行うことでより具体的な志望動機を記載できますし、さらにはRESASを使いこなせる点において、即戦力であることも伝えられるので面接でも他の受験生と比べて、抜きん出ることができます。
このRESASを面接対策に活用するという考え方は、私以外の記事では見たことがないので、私の記事をみてくださった方は、ぜひ活用していただきたいです。
さらには、ふるさと納税の返礼品などを確認しておくのも、地域の特産品を知れたり、取り組みなどを知る手掛かりになるのでおすすめです。
実際にふるさと納税を注文してみるというのも一つのアピールポイントになります。
面接のときに話せるネタが増えますし、インパクトを残せるのでおすすめですよ。
自治体が求める人材を理解し、「予想質問集」で万全の準備を!
【2】自治体分析の結果を志望動機に落とし込む!
自治体の「課題」や「取り組み」に対して、あなたがこれまでに大学生活での学びや経験を活かすことができないか考えてみましょう。
ここでポイントになってくるのは、どれだけ具体的に志望動機を記載するかできるか?です。
例えば、多くの受験生は「地域活性化に取り組みたい」や、「移住政策に取り組みたい」などと記載します。
しかし、これではあまりにも抽象的で、必ずしもあなたが志望している自治体ではなくても、他の自治体であっても達成できるはずです。
つまり、面接官に『あなたが取り組みたい「移住政策」って別に当市ではなくても、いいよね?』と突っ込む隙を与えてしまいます。
そこで、志望先の自治体における課題や取り組みを明確にし、具体的に課題や取り組みを挙げ、それに対してあなたがどのような携わり方がしたいのか、どのように貢献できるのかなどを記載することが重要です。
【県庁・市役所・町役場】面接対策noteについて
【1】「地方公務員面接対策note」の特徴とは?
- 全国各地の自治体に対応!(地方上級、A・B・C・D日程など)
- 独学受験生はもちろん、予備校を利用している受験生にもおすすめ!
- 面接カードの書き方(志望動機・入庁後やりたい業務・自己PR・長所・短所など)の具体的な書き方を徹底解説!
- 絶対に押さえておくべき頻出質問と出題が予想される予想質問を完全網羅!
- 重要質問については、回答時のポイントや回答例を網羅!
- 自治体分析の具体的な方法を徹底解説!
- 面接官を納得させる話し方や回答のコツが理解できる!
- 筆記試験終了後から、迷うことなく短期間で効率的に合格を目指せる!
本noteは、小手先の付け焼き刃のテクニックをお伝えするものではありません。
まずは自治体職員の仕事や求められる人材像などの本質的な部分を理解していただき、そこから逆算的に合格レベルの面接カードを記載したり、面接試験対策ができるような仕組みになっています。
【2】「地方公務員面接対策note」を購入するメリットとは?
本テキストでは、面接試験での注意点や回答のコツなどを具体的に記載しています。また、どのように伝えれば、面接官を納得させることができるのかについても、詳しく解説しています。
公務員試験は、筆記試験終了後から面接までの期間が非常に短いです。特に、面接カードは面接よりも前に提出することが必要な場合がほとんどなので、筆記試験から面接カード提出までの期限はもっと短いです。
そのため、やっつけで面接カードを書き上げて提出してしまったり、面接対策に十分な時間を費やすことができていないまま面接本番を迎えてしまう受験生も少なくありません。
このような背景がある中で、限られた時間のなかで、いかにして合格レベルまで持っていくのかが非常に重要になってきます。正直に言って、筆記試験終了後から面接試験までは時間的猶予がほとんどありません。
そのため、面接対策の方向性を間違えることなく、正しい努力をしていく必要があります。間違った方向性で努力をしていれば、間違いなく不合格になります。
そこで、本テキストでは、なるべく無駄を省き、合格に必要な情報を厳選しました。テキストに従って読み進めていけば、受験生の方が迷うことなく、最短ルートで合格のために必要な知識が身に付くという設計にしています。
次のメリットとしては、合格レベルの面接カードの書き方が理解できることです。
地方公務員試験の面接カードを記載する際には、できる限り自治体の人事が求める人材に自ら寄せて記載するべきで、これがとにかく重要です。
そこで、本テキストでは、まずはじめに、筆者の受験指導から導き出した地方公務員として求められる人材を【筆者自身の地方公務員としての実務経験】および【これまでの受験指導の経験則により導き出した合格者の傾向】から割り出し、それを詳しく解説しています。
合格者の特徴や傾向をご自身でご理解いただき、その上で、その傾向に合わせた面接カードを記載することで、評価されやすい面接カード及び面接での受け答えができることを目指しています。
面接カードを書き始める前に、方向性を定めず、我流で一から面接カードを仕上げるのは非常に危険です。そこで、本テキストでは、これまで受験指導した合格者から逆算して、面接カードを作成するということを推奨しています。
3点目は、本テキストの第7章にて掲載している予想質問集を押さえておくことで、面接本番までに事前に自分の面接の軸を固めることができることです。
本テキストでは、【事前に想定質問から逆算し、回答を準備し、面接での軸となる方向性や基礎となる軸を形成すること】を狙いとしています。
面接試験本番までに、面接における自分軸を事前にはっきりとさせておくことで、面接本番で予想していない質問が来たとしても、アドリブで対応できる「応用力」が身につくことに繋がります。
本テキストを繰り返し読み、インプットとアウトプットをしていただければ、面接本番で予期せぬ質問に戸惑い、頭が真っ白になってしまうということはほとんどないはずです。
予想質問集に掲載している質問を事前に繰り返して回答を想起しておけば、まず面接試験で失敗することはないと断言できます。
面接において聞かれる質問内容をご自身で予想するのも面接対策としては有効ですが、やはり、どうしても漏れや抜けがあるものです。
また、予想質問集の中には、一見すると「そんなところまで質問されるの??」という質問も掲載しております。しかし、すべての予想質問に意図があって、掲載しております。
本予想質問集は、単なる過去の質問内容を羅列している予想質問集ではありません。
特に注意しておきたい質問等については、回答のコツなども補足しているため、自身で読み進めながら、迷うことなく面接対策を進めていける内容となっております。
【3】筆者はどんな人?
これまで自身の合格経験および、役場で働いた実務経験を生かし、100名以上の公務員試験受験生に対し、ES添削や面接指導などの受験指導を行ってまいりました。
<受験指導による合格実績>
- 裁判所事務官
- 家庭裁判所調査官
- 国家一般職
- 特別区
- 長野県長野市中枢都市圏(経験者枠)
- 栃木県庁(経験者枠)
- 神奈川県庁(行政職)
- 神奈川県川崎市(行政職)
- 神奈川県横浜市(事務B)
- 大阪府庁(行政職)
- 大阪府河内長野市(氷河期世代)
- 兵庫県姫路市(行政職)
- 滋賀県甲賀市(経験者枠)
- 広島県府中町(行政職)
- 岡山県庁(行政職)
- 岡山県岡山市(行政職、電気、化学)
- 香川県庁(経験者枠・行政職)
- 愛媛県庁(経験者枠・行政職)
- 佐賀県庁(経験者枠)
- 鹿児島県庁(行政職)
自治体が求める人材を理解し、「予想質問集」で万全の準備を!
まとめ
まずは本記事をお読みいただいて、ありがとうございます。
実は、本記事では自治体が求める人材について詳細をあえて記載していません。
志望動機を書くにあたっては、まず自治体の課題や取り組みを知ることから始める必要があります。
就活でいうところの「企業研究」という作業です。
公務員試験でいうと「自治体研究」ですね。
志望動機の質を上げるためには、この自治体研究でどれだけ深掘りできるかが重要になります。
自治体が抱える「課題」や力を入れている「取り組み」をきちんと理解しておくことで的を得た志望動機、的を得た面接の回答ができ、結果的に合格へとつながるわけです。
そのため、自治体ごとに特色が異なるように、志望動機も自治体ごとに作成する必要があります。
まずは自治体のことを調べ、課題や取り組みを知るところから始めましょう。
その次のステップとして、これまでの自分自身の経験を振り返り、課題解決や取り組みに活かせそうな経験を見つけ、志望動機に組み込みましょう。
自治体が求める人材を理解し、「予想質問集」で万全の準備を!
【お知らせ】地方公務員対策に関する関連記事
最後に、市町村職員を目指している方にぜひ読んでいただきたい記事を紹介しておきます。どちらもためになる記事ですので、ぜひご覧ください。
どの記事も市町村職員を受験する方には絶対に読んでいただきたいです。
この記事を読んでくださった方のなかには、まだ筆記を受験していない大学2回生や3回生の方もいらっしゃることかと思います。
今から筆記対策を始めるという方のためにおすすめの記事が下記の2つです。