- 公務員の面接対策をいつから始めるべきかがわかる
- 多くの受験生がいつから面接対策を始めているのかわかる
- 具体的な面接対策の流れが理解できる
公務員試験の筆記試験の対策をしていると、ふと、いつから面接対策に取り掛かるべきなのか不安になりますよね。
他にも、何からどのような順番で面接対策をするべきなのか、いつ頃までにどのくらいの対策ができていればよいのかなど、気になる点が多いかと思います。
私自身、公務員試験を新卒時と既卒時の両方で合格した経験があるので、面接対策の開始時期や何をどのようなタイミングで始めるべきか非常に悩みました。
そこで、この記事では元公務員の私が実体験を交えながら、面接対策の開始時期や面接対策の具体的な流れなどについて詳しく解説していきます。


公務員の面接対策はいつから始めるべきか?
公務員の面接対策はできるだけ早く始めるべき
結論から言うと、面接対策はできるだけ早く始めるのが理想です。
いや、そんなん分かっとるねん…。
という方も、具体的にどのような作業にどのくらいの時間がかかるのかを知っておくことは重要です。
面接対策の中でも特に莫大な時間がかかるのが、面接カードの作成です。
面接対策にかける時間のうち、面接カードの作成に費やす時間は全体の6〜7割程度を占めます。
面接カードの内容は、自治体ごとに様式が異なるため一概には言えません。
実際の面接カードを見ていただく方がイメージがつきやすいかと思いますので、参考までにいくつかの自治体の面接カードを以下に掲載しておきます。
- あなたが特別区でどのような仕事に挑戦したいか、あなたの強みと志望動機も含めて具体的に書いてください。(250字以内) ※面接の冒頭に3分程度でプレゼンテーションしていただきます。
- あなたが一つのことをやり遂げた経験を挙げ、その中で最も困難だと感じたことと、それをどのように乗り越えたかを教えてください。(250字以内)
- 目標達成に向けてチームで行った経験において、チームへの貢献につながったあなた独自のアイディアを、ご自身の役割とともに教えてください。(250字以内)
- あなたが神戸市職員を目指そうと思った理由について、会社選びや仕事選びで重視する点を踏まえて記入してください。(200字程度)
- 神戸市の求める人材像に関する、あなたの経験について記入してください。(300字程度)※(1)~(3)の項目の中から1つ選び、選んだ項目の内容について具体的に記入してください。(1)【チャレンジ精神】:直近3年間において、あなたが自分から積極的に困難な状況にも怯まず最後までやりきったことにより大きな成果を挙げた事例について、具体的に記入してください。(2)【リーダーシップ】:直近3年間において、あなたがグループの中で方向性を示し、グループメンバーから協力を得て何かに取り組んだことにより大きな成果を挙げた事例について、具体的に記入してください。(3)【デザイン力】:直近3年間において、あなたが今までにない新しい方法等を取り入れるなど工夫して取り組んだことにより大きな成果を挙げた事例について、具体的に記入してください。
- 直近3年間において、あなたが地道に取り組み、最も達成感を得たことについて、具体的に記入してください。(300字程度)
- 直近3年間において、経験した最大の挫折とそれをどう乗り越えたかについて、具体的に記入してください。(300字程度)
- あなたの長所と短所(字数制限なし)
- 最近印象的だった時事(字数制限なし)
- 自己PR(字数制限なし)
- 自己PR(300字以内)
- 志望動機(300字以内)
- これまでに力を入れて取り組んだことについて(300字以内)
- 所属した組織やグループで、目標に向かって協力して取り組んだ経験(300字以内)
このような感じで、自治体ごとに内容が異なります。
あなたの志望自治体の面接カード内容が公開されていない場合、以下の項目を中心に内容を考えておけばOKです。(※すべて300字程度で準備しておけばOK)
- 志望動機
- 大学時代あるいは現職で取り組んできたこととその経験から得た学び
- 入庁後取り組みたい仕事
- 志望自治体の課題と課題解決策
- 長所と短所(それぞれエピソードも)
- 自己PR
公務員の面接対策は筆記終了後から始める人が多い
多くの受験生が面接対策を本格的に始めるのは、筆記試験が終わってからです。
というのも、結局のところ筆記試験に合格しなければ面接試験には進めないので、「まずは筆記に集中して、受かってから面接対策をすればいい」と考えるのはある意味自然なのかもしれません。
しかし、筆記合格から面接本番まではわずか数週間しかない自治体も多く、限られた時間で十分な準備をするのは難しいのが現実です。
実際のところ、筆記終了後から面接対策を始めた方の中には「もっと早くやっておけばよかった」と、あとで後悔する受験生も少なくありません。
そのため、筆記試験終了後から取り組む受験生が多いものの、できればそれよりも早く取り組めるように筆記試験対策を計画的に進めることを意識する必要があります。
公務員の面接対策を始めるベストのタイミングとは?
元公務員で現役講師の私がおすすめするベストタイミングとしては、年明け(1〜2月頃)には面接対策に着手することです。
「いや、待って早すぎやろ…。」
と感じた方も、多いのではないでしょうか。
なぜ1〜2月頃から着手するべきなのか?
それは、この時期であれば筆記試験対策と並行しても無理なく準備を進めることができるからです。
面接対策といっても、なにも「1日3時間やれ」といっているのではなく、あくまでも筆記試験対策の合間に休憩や息抜きがてら自己分析をしたり、自治体分析をしたり、面接カードの作成に30分程度取り掛かる程度で十分です。
1日30分であれば、筆記試験との両立も十分可能かと思います。
特に、面接カードの中でも志望動機の深掘りや自己分析にはかなりの時間がかかります。
また、自治体分析も1日や2日で終わるものではありません。
そのため、筆記試験対策の合間に少しずつでも志望自治体の調べ物や自己分析をルーズリーフなどにまとめておく作業を進めておけば、筆記試験後に焦らず済むので、余裕があるときにコツコツと積み上げていくべきだと考えています。
公務員の面接対策は筆記試験終わりからでも間に合う?
【筆者の実体験】筆記終了後からでも間に合う
結論、私の実体験からいうと、筆記試験終了後からでも間に合います。
ただ、これまでに大学推薦入試などを含めて面接経験がない方や、面接に抵抗がある方、面接に強い苦手意識がある方は、筆記試験と並行して面接対策をコツコツ積み重ねておくのが無難です。
筆記終了後からでも面接対策は間に合いますが、その場合、合格できるかどうかは元々のポテンシャルに大きく依存すると考えています。
やはり、2週間程度で面接力を大幅に向上させることは難しいので、これまでの社会経験、アルバイト、ボランティア活動などの社会活動を通して、幅広い年齢層とコミュニケーションをとる機会があったか、人前でプレゼンをする機会がどれだけあったか、など経験の差がそのまま面接結果に表れやすいです。
もちろん、それだけで合否が決まるわけではありませんが、特に新卒の面接試験では基本的に人生で初めての面接試験だという方も多いので、早く対策を始めれば始めるほどライバルに差をつけることができ、有利に面接試験を進めることができるのは確実です。
【講師としての実体験】ごく一部の早い人は年明け前から対策をしている
私は役所を退職してからフリーで講師をしているのですが、これまで受験生をみてきて、ごく一部の早い人は年明け前から面接対策をしています。
ただ、これはごく一部の例外パターンで、年内の時点で筆記試験がすでに7〜8割程度とれている状況であるなど、筆記試験がかなり順調に進んでいるケースがほとんどです。
筆記試験で7割取れれば、まず一次試験は合格できるので、7割が安定して取れるようになってきたら面接対策に着手し、筆記対策とのバランスを見ながら面接対策のウエイトを増やしていくのがベストです。
最短どのくらいで公務員の面接対策は完成するか?
正しい対策法であれば、2週間あれば十分なんとかなります。
正確には、以下の私のテキストを読めば2週間もあれば十分間に合います。
というよりも、土日などでしっかりと読み込めば、仮に週明け月曜日の面接でも読む前よりも大幅に面接力を向上させることができます。
その理由としては、絶対に押さえておきたい重要質問のすべてに質問意図と回答時の注意とオリジナル回答例を用意しており、それを理解し頭に入れておくことですぐにあなた自身の回答として取り入れることができるためです。
その、最短で面接対策どんなに面接が苦手でも、誰でも最短で面接対策ができる面接対策テキストがこちら↓
公務員の面接対策の流れ
【1】自己分析
自己分析として、まずはあなた自身の長所や短所、価値観や人生経験を振り返りながら、面接で使える「自分の軸」を見つける作業をします。
ここでどれだけ棚卸しできるかによって、面接での深みが違ってくるので、これまでの人生を振り返り、面接で使えそうな経験やエピソードはなんでもメモに箇条書きで追加していきましょう。
- これまでの人生の振り返り
- 自分の長所と短所の深掘り
- 最も困難だった経験とそれをどのように乗り越えたか
- 上記の経験から何が培われたのか
- 日頃大切にしている考え方や価値観
【2】自治体分析
次は、志望自治体のことを調べていきます。
民間企業の就活でいうところの、企業分析です。
自治体分析といっても、あまりピンとこない方も多いと思いますので、以下に具体例を掲載しておきます。
- 首長名
- 首長の方針
- 重点課題
- 主要政策
- 人口(自然減・社会減・外国人の割合・高齢化率)
- 転出入者数(何県何市からの転入・何県何市への転出)
- 観光(観光地・観光産業・地域資源)
- 主要産業
- 防災(ハザードマップ・過去の自然災害)
- ふるさと納税の返礼品
- 議会(議事録)
とりあえず、最低限調べておくべき点を挙げておきました。
【3】面接カードの作成
- 志望動機
- 大学時代あるいは現職で取り組んできたこととその経験から得た学び
- 入庁後取り組みたい仕事
- 志望自治体の課題と課題解決策
- 長所と短所(それぞれエピソードも)
- 自己PR
【4】重要質問の回答内容を考える
◼️Part1:志望動機等
1.なぜ民間ではなく公務員なのか?
2.なぜ県庁職員ではなく市区町村職員なのか?(=なぜ市区町村職員ではなく県庁職員なのか?)
3.【地元の自治体を受験する場合】なぜ他市区町村ではなくA市なのか?(=なぜ他県ではなくA県なのか?)
4.【地元以外の自治体を受験する場合】なぜあなたの地元ではなくA市(A県)なのか?
5.あなたのどのような点が公務員に向いていると思うか?
6.イベントや災害時には土日祝日や深夜の出勤もあるが大丈夫か?
7.他に公務員試験を併願しているか?
8.今回残念ながら試験に落ちたらどうするか?
9.入庁後、取り組みたいことはあるか?
10.[9の回答に対して]大学時代の経験(アルバイト、ゼミ、サークルなど)をどのように生かせるか?
11.入庁後のキャリアプラン(5年後、10年後)についてどう考えているか?(できる限り具体的に)
◼️Part2:入庁後やりたいこと等
12.希望する部署はあるか?
13.[12の回答に対して]希望する部署に配属されない可能性もあるが大丈夫か?
14.当市の課題は何か?
15[14の回答に対して]当市の課題解決策は?
◼️Part3:仕事に対する向き合い方や仕事の進め方等
16.これまで最も苦労した経験は何か?
17.上司と意見が対立したらどうするか?
18.入庁後、クレームを受けた場合、行政職員としてどのような対応を心がけるか?
19.学生のアルバイトと社会人の職務の違いはなんだと思うか?
◼️Part4:職場における人間関係や人との関わり合い等
20.苦手な人がいる場合にどのように対処するか?
21.これまで集団活動や集団生活においてどのような役割を担い、どのようなことを意識してきたか?
22.あなたはリーダーとサブリーダーのどちらが向いていると思うか?
23.入庁後、組織の一員(チーム)として働く上で何を意識したいか?
◼️Part5:性格・長所・短所・自己PR等
24.あなたは周囲からどのような人だと言われるか?
25.短所はあるか?
26.自己PR
27.ストレス耐性はある方か?
28.どのような時にストレスを感じるか?
◼️Part6:その他
29.最近、気になるニュースはあるか?
30.最後に言い残したことや質問しておきたいことはあるか?
上記すべて、以下の面接対策テキストで回答例を示しています。
(※下記画像をタップでテキストに飛べます)

◼️Part1:志望動機等
1.なぜ民間ではなく公務員なのか?
2.なぜ県庁職員ではなく市区町村職員なのか?(=なぜ市区町村職員ではなく県庁職員なのか?)
3.【地元の自治体を受験する場合】なぜ他市区町村ではなくA市なのか?(=なぜ他県ではなくA県なのか?)
4.【地元以外の自治体を受験する場合】なぜあなたの地元ではなくA市(A県)なのか?
5.そもそも公務員への転職を志したきっかけは?
6.あなたのどのような点が公務員に向いていると思うか?
7.(すでに退職履歴がある方)前職の退職理由は何か?
8.上司に退職する旨は伝えているか?
9.イベントや災害時には土日祝日や深夜の出勤もあるが大丈夫か?
10.他に公務員試験を併願しているか?
11.今回残念ながら試験に落ちたらどうするか?
◼️Part2:入庁後やりたいこと等
12.入庁後、取り組みたいことはあるか?
13.民間企業(現職or前職)での経験をどのように生かせるか?
14.希望する部署はあるか?
15.希望する部署に配属されない可能性もあるが大丈夫か?
16.当市の課題は何か?
17.当市の課題解決策は?
◼️Part3:仕事に対する向き合い方や仕事の進め方等
18.これまでの職務経験において、成果を挙げた事例はあるか?
19.これまで仕事で苦労した経験はあるか?
20.上司と意見が対立したらどうするか?
21.入庁後、クレームを受けた場合、行政職員としてどのような対応を心がけるか?
◼️Part4:職場における人間関係や人との関わり合い等
22.苦手な人がいる場合にどのように対処するか?
23.組織の一員(チーム)として働く上で意識していることはあるか?
24.あなたがリーダーとして仕事を進める上で、いつも意識していることはあるか?
◼️Part5:性格・長所・短所・自己PR等
25.あなたは周囲からどのような人だと言われるか?
26.短所はあるか?
27.自己PR
28.ストレス耐性はある方か?
◼️Part6:その他
29.最近、気になるニュースはあるか?
30.最後に言い残したことや質問しておきたいことはあるか?
上記すべて、以下の面接対策テキストで回答例を示しています。
(※下記画像をタップでテキストに飛べます)

【5】模擬面接orセルフアウトプット
【1】から【4】までの知識をもとに、アウトプットをする段階です。
本番までに一度は本番形式での模擬面接練習をしておくのが理想ですが、必ずしも予備校を使わずとも、身になる面接練習は可能です。
例えば、スマホで録画をしながら面接練習をし、あとから回答内容や表情や口癖、態度などを見返す作業を繰り返すことでも面接力は十分向上します。
何度もアウトプットを繰り返していくうちに、徐々に回答内容がブラッシュアップされていき、口ずさむうちに回答内容を覚えていきます。
ある程度型を作っていけば、どのような質問がきてもその場思考で質問に対して回答ができるように応用が効くようになります。
まとめ
ここまで「面接対策をいつから始めるべきか」と「どういった手順で面接対策を進めるべきか」について解説をしてきました。
ある程度、面接対策の概要は掴めたかと思います。
とにかくまずは、筆記試験を極力早く計画的に7割〜8割のレベルに持っていくことを目標にして、筆記試験対策を進めていくことが何よりも重要です。
筆記試験を計画的に進めることができれば、必然的に面接対策に費やすことのできる時間も他の受験生より増えることになるので、第一志望の合格が現実的になります。
筆記試験を8割まで引き上げるのは正直難しいので、7割が安定して取れる程度になれば、それが筆記試験より前でも面接対策に着手する合図にしてOKです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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